ワイズの法人利用でできる5つのこと
トランスファーワイズ(TransferWise)は、2021年3月にワイズ(Wise)と社名変更しました。
海外では銀行向けサービスを展開、ワイズの国際送金機能を組み込んだ銀行も出てきています。
日本でもマルチカレンシー口座やデビットカードが発行されるようになるなど、新たなサービスを開始。
日本支社「ワイズ・ジャパン」を展開させ、日本でのサービスの充実を図っています。

日本語でのサービスが提供されていますので、サポートデスクとのやり取りも日本語で対応可能です。
ワイズは法人で利用することも可能なのですが、法人でアカウント作成をする際に事前に注意しておきたいこと、アカウント作成に必要な書類などを中心に、まずはご紹介していきます。
ワイズを法人利用する際に利用できるサービス
- 法人アカウント作成・維持は無料
- 海外の銀行情報の取得
- 支払いの自動化
- マルチユーザー利用
- デビットカード発行
海外送金や、マルチカレンシー口座・デビットカードなど、個人アカウントとほぼ変わらないサービスを受けられます。
それに加え、法人ならではの便利なサービスも提供されています。
ワイズ(旧トランスファーワイズ)の法人口座の特徴とメリット
では、先ほどご紹介したワイズ(旧トランスファーワイズ)の法人口座の特徴に加え、ワイズを利用するメリットもご紹介します。
法人アカウント作成・維持は無料
ワイズの法人アカウントは無料で作成、利用することが可能です。
固定費ゼロで運営することができます。
また、アカウント作成は全てオンラインで完結しますので、わざわざ銀行などへ出向く必要はありません。
手数料が明瞭でトータルコストを安く抑えられる
ワイズは隠れコストなしで海外送金、外貨両替ができる明瞭な手数料体系が特徴です。
為替レートは仲値で、上乗せなしのレートです。
リフティングチャージ・受取手数料・中継銀行手数料など、送金にかかる隠れた手数料が一切ありません。
一般的な金融機関では、海外送金手数料が固定で安く見えていても、為替手数料に送金コストが含まれているなど手数料が分かりにくくなっています。
ワイズは送金額に比例して手数料が上がりますが、合計の手数料では他行と比較した時にも送金コストは安くなります。
手数料の計算は、利用前にもシミュレーションすることが可能です。
海外送金、外貨両替など、こちらのツールで事前にご確認ください。
海外の銀行情報が取得できる
ワイズのマルチカレンシー口座を利用すれば、日本からだと取得が難しい海外銀行の口座番号手に入れることが可能です。
例えばアメリカドルなら米国、ポンドなら英国の現地の口座番号が割り当てられます。
その通貨での支払いは現地口座からの支払いになりますので、海外決済でかかっていた手数料が抑えられるメリットがあります。
対応する通貨は10通貨となっており、日本円は預金口座ではなく、資金決済法に基づく資金として保持されるシステムになっています。
マルチカレンシー口座については、こちらで詳しくご紹介しています。
受取額を指定できる
ワイズでは送金額からだけでなく、受取人の受取金額を指定して送金することが可能です。
銀行などの海外送金サービスでは、為替レートの変動や中継銀行・受取銀行の手数料などによって、受取人が受け取る額を指定できない場合がほとんどです。
ワイズでは為替レートの変動に備えて送金額の3%を追加した金額を「為替レート保証デポジット」として、送金額と併せて一旦入金する機能があります。
また、ワイズへの入金が保証レートの時間内に確認された場合は、3%追加する必要なく受取金額ぴったりで送金することが可能です。

使用されなかった資金は全て返金されます。
このようなシステムと、隠れ手数料がないことから、ビジネスでの契約で決められた「受取人の受取額」を指定して送金することが可能になっています。
早い送金ができる
日本の金融機関では、海外送金にかかる日数の目安は1営業日~1週間になります。
ワイズでは、送金の9割以上が24時間以内に完了しますので、銀行口座宛ての海外送金では、かなりのスピードになっています。
送金額、受取通貨を入力すると着金予定日が表示され、一目で確認できるようになっています。
支払いの自動化ができる
ワイズでは、複数の送金を一括で処理することが可能です。
指定のファイルをアップロードするだけで、一度に複数回の送金手続きを実施できますので、支払いにかかる実務を効率化することができます。
また、WiseオープンAPIを利用することで、支払いとワークフローを自動化することも可能です。
Xeroなど会計ツールとも連携していますので、アカウントを同期させることで会計処理においても効率化が図れます。
マルチユーザーで利用可能
ワイズの法人アカウントでは、マルチユーザーアクセスが可能です。
管理者は、ウェブ上でユーザーを追加することができます。
管理者:送金手続きの作成、ユーザーの追加、アカウントの管理
ビューアー: 送金履歴の確認、取引明細・受取証書のダウンロード、Xero管理
会計士をユーザーとして追加することで、情報の共有が容易になります。
ワイズの法人口座開設での注意
- Wise(ワイズ)は銀行ではない
- ワイズ法人アカウント作成には法人・個人のプロフィールが必要
- 1回の送金額は100万円まで
Wise(ワイズ)は銀行ではない
ワイズは銀行ではなく、資金移動業者です。
そのため、マルチカレンシー口座を利用する際にはこちらに注意してください。
- 預金保険制度の対象外であること
- マルチカレンシー口座資金には利子がつかないこと
業者破綻の場合の利用者保護の仕組みとして、法律上ではこのような仕組みになっています。
資金移動業者は、利用者から預かった資金と同額以上の額を供託等によって保全する義務を負います(法第43条)。資金移動業者が万一破綻した場合には、利用者は、財務局の還付手続により、供託等によって保全されている資産から、弁済を受けることができます(法第59条)。
銀行が破綻した場合、預金保険法に基づき決済債務は全額保護されるようになっていますが、資金移動業者の場合は全額返金保証ではなく「優先的に支払われる」仕組みとなっています。
ただ、ワイズの場合は
お客様の資金は常にWiseで使用している口座とは別に保管されているため、当社が債務超過に陥っても影響を受けることはありません。 お客様のお金は全てお客様に返金されます。
と明記されており、全額返金が前提となっています。
マルチカレンシー口座内の資金は、あくまでも使用することを目的としたものなので利子は付きません。
ワイズ法人アカウント作成には法人・個人のプロフィールが必要
法人として送金する場合でも、会社の代表者の本人確認手続きが必要になります。
また、法人アカウントとしての登録には審査が必要です。
審査には1週間程度必要な場合がありますので、余裕をもって登録を進めてください。
1回の送金額は100万円まで
先ほどもご紹介したように、ワイズは「資金移動業者」であるため、資金決済法の規定により、日本から海外への送金上限は1回あたり100万円までとなっています。
1回で100万円以上の送金が必要な場合は、銀行業として行う為替取引には、取扱金額に制限はありませんので、銀行を利用する必要があります。
ワイズでの法人アカウント登録手順
ワイズでは、信託会社、財団、慈善団体、NPOによる法人アカウント登録はできません。
法人としてワイズを利用するには、代表者の個人アカウントでの登録に加え、法人アカウントでの登録が必要になります。
個人アカウントでの本人確認に必要な書類
日本発行の顔写真付き本人確認書類(住所の記載を含むもの)1点
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- 日本の運転免許証
- 日本発行のパスポート(2020年3月以前に発行されたもの)
- 在留カード
- 住基カード
上記の本人確認書類+マイナンバーが必要になります。
こちらに加えて、法人アカウント登録に必要な書類がありますので、以下をご確認ください。
個人アカウントの登録方法は、こちらで詳しくご紹介しています。
個人事業主の場合
個人アカウントの登録と本人確認が必要です。
- 日本発行の顔写真付き本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 自撮り写真およびマイナンバー関連書類による個人アカウントの本人確認
- 法人名、住所、業種、事業内容の登録
1.2は個人アカウントでの本人確認となります。
株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社の場合
- 代表取締役、または取引担当者の個人アカウント登録
- 法人アカウント登録
この順番でアカウントを登録します。
法人アカウント登録では、法人名・法人種別・法人番号・事業内容・法人住所・株主情報などの実質的支配者の登録が必要です。
個人アカウントでの本人確認書類にプラスして、6カ月以内に発行された履歴事項全部証明書、または現在事項全部証明書を提出します。
また、代表者以外が法人アカウントを登録する場合、委任状が必要となります。
詳しくはこちらをご覧ください。
法人住所確認として、6桁のアクティベーションコードが記載された簡易書留が郵送されます。
住所確認が完了してから送金手続きが可能になります。
2020年3月に手数料が平均20%程引き下げられるなど、日本での利用者増加に伴い手数料は値下げ方向に進んでいます。
ワイズではコスト削減の実現によって、その分を顧客に還元し、最終的に手数料を無料まで近づけることを目標にしています。
100万円までの海外送金の場合は、コストパフォーマンス、利便性からワイズでの送金が有効であると言えます。
コスト削減の一つの手段として、利用されてみてはいかがでしょうか?